『マシュがくれた大事なもの』

『マシュがくれた大事なもの』

『マシュがくれた大事なもの』

何から書き始めればいいか、
やらなければいけない事
伝えなければいけない事
聞いてもらいたい事
たくさんあり過ぎて順番も前後していくと思うのですが、聞いてください。
やはり自分にとって一番大切な、何よりも大切な子ども達、猫達のことから。
8月の終わり頃、発作から僕たちの元へ帰ってきてくれたマシュの事から…

報告が遅くなりすみません。
あの時聞いていただいたマシュは、10月10日の正午になる前、僕の胸の上で静かに眠りにつきました。
腎臓病と猫エイズを持っていたマシュは、一年の闘病をやりぬきました。
その直前まで、自分で動こうとしてトイレにも行っていた強いマシュ。


海が好きで海をを眺めるのが好きなマシュ、
キッチンから海を眺めては両手鍋の中で寛いでいたマシュ、
その時も僕の胸の上で海を眺めながら、本当に眠る様に、静かにと…

『時間をもらっている』

前にそう書きました。
マシュは、この時までの大切な時間を、僕たちにくれていたんです。
涙はありますけど、心の中はやっぱり穏やかでした…

8/24日の夜、マシュは発作を起こしました。
一晩付き添って、落ち着きを取り戻して、また普段の生活がありました。
普段、と言っても普通じゃないです。
徐々に食べる量が減り、食べるご飯も変えていったり、少しづつスプーンで舐めさせたり、持ち手の角度を考えたり、
そんなふうにごはんを食べさせてあげたり、一日一回の点滴をしたり、トイレを間違えてしてしまった後片付けだったりと、大変ではありましたがマシュとの毎日があったんです。

おっとりさんで実は激しいマシュ、
痩せ細ってはまったけどホントはふっくらモチモチのマシュ、
びっくり顔で寝てばかりだったマシュ、
大変な事はあっても、マシュは可愛かった…

そんなマシュとの出会いは、もう三年ほどまえでしょうか。
マシュは、最初は外で暮らしていました。
他の子にごはんを持って行っていた所にミケと二人で顔を出して来る様になり、その内に一緒に食べる様になってきたんです。
それからずっと、ごはんを持っていく時だけ会っていたのですが、最初すごい警戒していたのに、お腹を触らせてくれるまでになっていたんですよ(笑)。
そして去年の9月、マシュ達が暮らしていた家が取り壊されると聞いたので、連れ帰る事にしたんです。
ですが、初診の結果が『腎臓病』と『猫エイズ』のキャリアだった事を聞いた時、目の前が真っ暗になった事を覚えています。
でも、それでもと思い、マシュミケとの生活が始まりました。
最初の頃は隔離部屋として一部屋に押し込めていました。
外に出たかった事でしょう。
死に物狂いで泣き叫び暴れ回る、そんな事が昼夜問わずで、僕の布団や枕にオシッコウンチをされたりと、慣れるまで相当かかりました。

やっと慣れてきた一月ほど経った10月、一緒に来たミケは四人兄妹を出産しました。
連れて来た時にミケのお腹に赤ちゃんがいたんです。
その事もとても悩んだのですが、結果無事に出産、そして一年が経った今現在、立派にヤンチャとおてんばの1歳児に育っています(笑)。
ミケとおチビ達の話もまた別の時に書きますね。
今はマシュの話、その時のマシュはとても大変でした。
多分、初めて間近で出産を見て、いつも一緒だったミケが自分をも威嚇する様に変わってしまって…
逃げ場のない一部屋だから余計にダメだったんでしょう、怖かったんでしょうね。
落ち着くまでまた長い期間がかかり、おチビ達を認めてあげるまでも長い時間が必要でした。
でも、マシュがチビ達の隣に近寄れて、ペロをしてあげている姿を見れた時は、本当に嬉しかったんです。

そんなマシュも、多分ミケの娘なんです。

だからミケ家族でその後仲良く過ごせる様になっていたんです。

部屋の外に出たがる以外は…
チビ達はどんどんスクスクと大きくなりまたヤンチャになって、狭い部屋の中で走り回っては暴れる様になり、ここでは手狭になって来ているのは分かっていました。
でもエイズの事もあり、外に出して他の子達と何かあったら、と躊躇して、約4ヶ月以上もの長い間、狭い一つの部屋に閉じ込めていたんです…
でもチビ達を覗きに来るわた達と、外に出たがるおチビ達、柵越しの対面期間を経て、2月に入りやっと開け放つ事を決めたんです!

自由になってからのマシュは、少しづつ家の中を探検してテラスに出て行き屋上にも上がったり、自由に歩き回るその姿は、やっぱり伸び伸びとして心が軽そうな、そんな風に見えていました。
時々外を眺める姿が切なく見えていましたが。
その頃のマシュは、ごはんもしっかり食べて好きに遊んで好きに寝て、ふっくらモチモチのまん丸マシュで、病気の事なんてほとんど忘れていました。
毎週1回の点滴と月1回ほどの血液検査で通う病院の時以外は。

でも、徐々に体重は減っていったんです。
食べるごはんが嫌いになったり飽きてきて、食事量が減ってきただけと思っていました。
フードを変えたり工夫をしたり、どうしたら食べてくれるのか、工夫をしながらの毎日でした。
でもマシュの腎臓は、疲れていたんですね。
6月の終わり、いつもの点滴に行き血液検査をしてもらい、帰ってみんなのごはんを、そう思っていたのですが、
血液検査の結果、腎臓の数値がとても悪く、緊急入院をする事になりました。
でもマシュはすぐに持ち直して、二日でお家に帰れる様になりました。
ですが、自宅点滴を開始する事になりました。
週一回通うのではなく、毎日自宅で少しづつの点滴をする事に。
僕は以前、むさしとこまの時に点滴をしていたので、すぐに要領は思い出しました。
でも彼女は、針を打つ事からして初めてで、慣れるまでとても頑張ってくれました。
大事なマシュのためと言って。
そしてそんな毎日にマシュも慣れてくれて、大変だったとは思いますが、マシュとの毎日が続いていたんです。
だんだんと食事量が減り体重も減っている事は分かっていましたが。

そして8/24の夜、マシュは発作を起こしました。
一晩付き添って、落ち着きを取り戻して、それから数回発作はありましたが、また普段の生活がありました。
どんどん食べてくれなくなる事や、間違ってトイレしてしまったり、そんな事はとても大変でした。
でも、マシュはそれから一緒にいられる時間を、
その時までの大切な時間を、
僕らにくれたんです。

キッチンで海を眺めるマシュ、
お鍋に入って眠るマシュ、

僕の胸で一緒に海を眺めるマシュ、
どれも大切な想い出です。
マシュのくれた宝物です。
そんなキラキラした時間と、病気に立ち向かい戦い抜いた強さ、その勇気を、
マシュは僕たちにくれたんです。
8月のあの日、本当は疲れていたのかもしれないのに、僕たちの為に頑張ってくれたんです…

それから日にちは経ってしまいましたが、マシュは僕の背中を押してくれています。
これから先の未来を作る為に、歩き出す勇気をくれたんです。
そしてマシュは、夢もくれました。
今はまだ口に出せませんが、マシュの夢を、僕たちの夢を、叶える為に、
今は、少しづつでも進んでいきたいと思っています。
マシュに恥ずかしくない様に。